かちゃっ… ドアの鍵の開く音で、公績は目を覚ました。 窓の外から差し込む光は紅い。 何時間寝てしまっていたのかと、寝惚けた頭で考える。 きぃぃ… ドアが開く音で、体が跳ねる。 鍵が開いた音で起きたのに、人が入ってくることに気が向いていなかった。 「よ、迎えに来たぜ!」 「…興覇ぁ?」 入ってきたのは、彼の義理の兄だった。 義理の兄といっても、育ての親に近い。 施設に預けられていた小学生の公績を、興覇が引き取ったのである。 「お前…どうして…」 公績は興覇がこの部屋の鍵を開けたことに驚きを隠せないでいた。 この部屋は、公績が通っている大学の研究室だ。 部屋を開けるには、暗証番号が必要である。 もちろん、それを知っているのは所属するゼミ生のみだ。 「ん〜…まぁ、気にするな」 にかっと笑って興覇はごまかした。 「それより、こんなトコでも、いいかもな…」 「は…」 公績は嫌な予感がした。 予感どおり、興覇はニヤニヤと笑みを浮かべている。 「中から鍵は掛けれるし、ソファもある。それにもぉすぐ夜だ」 言いたいことはわかる。 これから興覇がしようとすることもわかる。 だからこそ、公績は身がたじろいだ。 「お…お兄さん、TPOをわきまえてもらわないと…」 「何言ってんだ。TPOが揃ってるからやるんじゃねぇか?」 興覇はやる気満々だ。 「…誰か残ってるのか?」 「あ、先生…」 ひょこっと顔を出したのは、公績の所属するゼミの教授である呂蒙だった。 公績は、心の底から安堵した。 興覇は残念そうに、つまらなそうな顔をしている。 呂蒙の後ろには、彼を尊敬し、追ってこの大学に入学し、ゼミに所属したという陸遜もいた。 「すみません…部外者入れちゃって…今出しますから」 「お前…興覇じゃないか?」 「おっさん!おっさんじゃねぇか!?ははっ!懐かしいなぁ!!」 部外者…と公績が言った興覇を見た呂蒙は目を丸くした。 陸遜は『誰だよ…この男は…』という訝しげな目で興覇を見ている。 「先生の知り合いなんですか?」 「昔のな」 不思議がっている公績を見て、呂蒙ははっと表情を変えた。 「お前らこそ、知り合いだったのか?」 「てか…一緒に住んでるんですよ。子供のとき、こいつが俺を施設から引き取ったんす」 平然と言う公績に、呂蒙は少し動揺したようだった。 そして、興覇を見る。 「ま、そういうことだ」 「お前…あのことは…」 言いよどむ呂蒙を捕まえて、興覇は耳打ちをする。 「それは、今度。今は言わねぇで下さい…」 「公績は、知らないのか?」 「知ってたら…一緒になんか、暮らせねぇよ…」 二人の内緒話を、公績はぼけっと、陸遜は嫉妬心むき出しで見ていた。 「なぁ…」 「あぁ?」 「先生…呂蒙さんと、何こそこそ話してたの?」 帰り道、先ほどの会話が気になった公績は、足を止めて興覇に聞いた。 「昔話だよ」 「ふぅん…」 「そのうち、おめぇにも…話せるといいんだがな…」 最後の一言は小さすぎて、公績には聞こえていないようだった。 ************************************************************************************** 現代パロ〜ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ〜… ついに書いたよ!書けたよ!!! 何か、分からないこと多くてすみません! 一応続きます。 てか、続かないとナゾが残りすぎです。 というわけで、次回に続く!!!!! ブラウザのバックでお戻り下さい。 |