「これから、おめぇと暮らすことになったからなっ!」 にかっと笑った男は乱暴に俺の頭を撫でた。 その面影は、どこか亡き父上に似ていた。 俺が10歳になったとき、興覇はやってきた。 両親がなく、施設で暮らしていた俺は、兄ができたようで嬉しかった。 あの頃は…。 「公績!入るぜ!!」 乱暴にドアを開けて興覇が俺の部屋へ入ってきた。 「ば…勝手に開けんな…」 勉強中だった俺は、メガネをかけていたわけで… 「んだよ…つれねぇ……っ!」 俺のメガネ姿に妙に反応するこのバカの前では、絶対に見せないようにしていたのに… 「公績!今日もメガネが萌えだぜー!!」 「バカ…離せっつのー!!」 そのまま机の隣に置かれているベットに押し倒される。 「おめぇ、ここ数日部屋に篭りっきりだったからよぉ…」 「数日って、3日だろ?って…どこ触ってんだよ!?」 「俺とお前がの大好きなトコv」 「俺は好きじゃない!…ぁっ…」 不覚にも反応してしまう自分が情けない。 俺と興覇の関係は、俺が中学生のときからだ。 中学2年にもなると…その…まぁ…いろいろあるわけで。 トイレや部屋じゃ、うっかり出ちゃう声や音で気づかれるからと、風呂場でナニをしていたのだ。 そこへ… 「公績ぃ!たまには一緒に入るか〜!」 と、威勢良く、許可もなしに興覇が入ってきたのだ。 そこからは…思い出したくもない。 「おめぇ…いつもココでしてたのかよ?」 少し怒ったような興覇の声に、ビクビクしていたら、急に抱きつかれて 「俺が今までどんなに我慢してたと思ってんだよ…」 と言われ、俺の気持ちも聞かないまま、その場勢いで抱かれてしまったのだ。 一生の不覚としか言いようがない。 その後はもぉことあるごとに、興覇に迫られ、今に至る。 その…興覇のことは、嫌いじゃない。 あのときはビックリしたし、いきなりだったから動揺してしばらく口聞いてやんなかったけど… でも、ま…憧れのお兄さんって感じの存在から、一気に転落したのは確かだった。 年も離れていたせいか、俺は興覇に憧れを抱いていたし、大好きだった。 仕事仲間からも慕われていて、あいつの生き様と性格は俺の目標でもあった。 それが…アレじゃあ… 今では変態もいいとこ。 『公績!今日もメガネが萌えだぜー!!』 なんて、普通の人が聞けば、ドン引きだっつの。 料理するときだって、エプロン着てれば『おめぇは裸エプロンの方が似合う』とか言って脱がしてくるし、 風呂だって覗き、強姦はしょっちゅうで、夜這いは日常茶飯事。 それでも、憎みきれないところが、あいつのいいとこではあるんだけどな。 …と、絆されてる俺も俺だ。 どこがどうしてだかわからないが、興覇には人を惹き付ける魅力がある。 俺もそれに便乗しちゃったってわけ。 変態でも、強姦魔でも、ずっと一緒にいたいって気になってしまう。 あいつがどうして、小学生だった俺を引き取るつもりになったのかはわからない。 どんな理由であれ、こいつと一緒に暮らせるようになったことには、正直感謝している。 ま、そんなこと、滅多にも言ってやらないけどね。 「なぁ、興覇…」 「ん?」 『俺の隣にあんたがいてくれて嬉しいよ』 俺の隣で欠伸してるバカには…こんな言葉より、無言のキスをくれてやれば、十分だ。 「…公績…」 「おやすみ…」 「愛してる」 「……俺も」 聞こえないように呟いて、おれは布団を頭まで被った。 ************************************************************************************** あま〜ぃ!! てな感じになってしまった…。 もっと公績と興覇の過去のことを書こうと思ったのに… 興覇の変態度を上げるようなことを…てか、公績をもっとツンデレにしたくてどうしようもないです。 ホントに三国の世界から離れすぎていて申し訳ないです。 ブラウザのバックでお戻り下さい。 |